都内のデパートやスーパーの店頭で、道行く人を呼び止めては販売をしている商売です。
ある時、札幌のデパートに出張となりました。
ちょうど雪祭りの最終日で、慣れない雪道に足をとられながら、感動しまくりでした。きれいな街で、仕事も楽しみです。
さて、2週間の出張の間、ホテルに泊まりますが、ホテルから地下鉄の最寄駅までちょっと歩きます。
途中にたくさん民家があるのですが、出張初日にある民家の前を通りかかったとき、民家の玄関前になんとアザラシが!
丸々と太って雪の上を気持ちよさそうに転がっています。さすが北海道!と思いきや、それは、皮下脂肪をしっかりと貯めまくった1匹の犬でした。
まるまると太った胴から、ちょこんと出た足は犬のもの。
毎日零下になる札幌の冬。ある仕事帰りの夜、やはり犬は家の前に繋がれて、ゴロゴロと凍った雪の上に寝そべっています。特にその夜は、吹雪いて零下20度近くまで気温が下がるといわれていました。
「ああ、あの犬、家に入れてもらえないと死んでしまう。」犬小屋もない状態なので心配でたまりません。
翌朝、いつもより早めに出勤して例の家まで。
雪は、昨日の夜のうちに数10センチ以上積もっています。
雪に埋もれて死んでいる犬を想像しながら、角を回った途端、雪の中、ゴロゴロと転がって遊んでいる犬を発見。
…あいつ、犬の足がついてるけど本当はアザラシに違いない…と確信した瞬間でした。
